この日本という国において、自然エネルギー導入のきっかけは奇しくも東日本大震災でした。この地震で原発安全神話は見事に崩れ、チェルノブイリ以来の世界的原発事故を招きました。震災直後は広範囲に停電をもたらし、計画停電にまで発展した事を昨日のように覚えております。そして、この震災をきっかけに FIT（固定買取制度）が法案化されました。

更に政府は2018年夏に「エネルギー基本計画」を改定し、太陽光や風力など再生可能エネルギーを「主力電源化」と位置付けましたが、皮肉な事に規制問題や費用問題等から太陽光発電だけが普及する結果となっており、太陽光発電以外の風力、水力、バイオマス、地熱の導入数はあまり増えておりません。

主導省庁の経産省資源エネ庁は『電気代の国民負担軽減』を掲げ、太陽光発電の売電額低下と関連規制を強化し、これ以上増加させない方向に導こうとしています。しかし、太陽光発電の導入数を抑えても、風力、水力、バイオマス、地熱の導入数が増えれば再エネ賦課金も増える為、電気代の高騰は続いてしまいます。

『電気代の国民負担軽減』はFIT法の終焉を迎えない限り望めず、現状では再生可能エネルギーを増やす上での弊害と言えるでしょう。ですが、FIT法における再エネ賦課金が無くなる数十年後（50年後くらいでしょうか）の未来は、「原発より数百万倍も安全で、これまでにない安価な電気が供給できる」ようになっています。FIT法の未来、日本のエネルギーの未来はここにあると考えます。その為には、増加した太陽光発電がFIT期間（20年）終了後も存続できるよう努力していく必要があります。弊社は、後の世代に託すしかない使用済み核燃料問題付きの原発が無くなる為にも、自然エネルギーだけで日本の電力が賄える未来を目指し、日々精進して参ります。